スポット溶接の品質不良「電極・ナゲット硬さ」
2010年7月5日 公開
/ 2021年2月25日 更新
技術
スポット溶接加工 その9(最終回)
シリーズでお送りしてまいりましたスポット溶接加工ですが、今回が最終回となります。
基礎編 9
(4)電極
表面の凹凸が酷くなると十分な冷却を行いません。
その為、ドレッサー等でチップを削りますが、その行為は物理的に上下アーム、ホルダー、チップのバランスを常に変えていることになります。
溶接する板材を挟んで全てが90度になるように段取りを行いますが、そこにドレッシングを行うと、チップを削ることで、わずかですが0.1~0.2づつでも短くなっています。
その為ホルダー角度が内側に入り込み加圧力の分散、物理的なズレを生んでしまうことになります。
ステンレス鋼板はCr,Niその他の添加物によって、その特性は様々であるが、軟鋼板に比べて電気比抵抗が大きく、熱伝導率が小さいことから、スポット溶接でみると発熱及び蓄熱しやすく、低電流での溶接が可能である。
また、SUS304は線膨張係数が大きいことから、 シートセパレーションが起こりやすく高温での強度も高い為、高加圧力条件が推奨される。
ナゲット硬さ
SPCCとSUS430ナゲット硬さは300Hvレベル、304は200Hvである。
また、異種材溶接で強度低下が著しい304とSPCCは400Hvとなり硬化が著しい。
結果、ナゲット内の割れ感受性が強度低下を招いている。